OKINAWA ARTS COUNCIL

メールニュースニュース登録

トピックス TOPICS

SUPPORT

2020.10.07 Wed

支援事業紹介:創作エイサー連携強化・普及活動及び自走化に向けた組織の強化事業(一般社団法人 創作芸団レキオス)

民俗芸能にまつわる歴史を伝える 

 地域に伝わる芸能をモチーフとして、アクロバットやポップな音楽を加えてエンターテイメント化した創作エイサーは全県的に親しまれており、小中学校、高校の体育祭などでも取り入れられている。青年世代が減少している過疎地域や、都市においては、芸能への参画の機会が限られている地域の子どもたちにとって、地域への愛着を醸成する機会となっている。

一方で、視覚的な派手さが優先されることで、エイサーの由来や歴史までは伝えられていないという現状がある。創作エイサーの演舞を運動会で発表するまでで終わらせるのではなく、歴史やさまざまな種類の芸能もあわせて学べるよう、創作エイサーの役割を発展させたいという思いから、本事業の取り組みが始まった。

 エイサーの演舞をワークショップで教える指導者の育成については、前身の補助事業「沖縄文化活性化・創造発信支援事業」において行った。本事業では、民俗芸能の歴史を伝えるために、紙芝居を活用したプログラムを開発した。

教育機関の鑑賞会のプログラムに

 本年度では特に北部地域において、紙芝居を活用してエイサーの歴史を伝える鑑賞会を保育園や小学校で開催し、児童の少ない学校においては、地域住民も対象として幅広い世代が来場した。先生方や児童からのアンケート結果をもとに、さらなるブラッシュアップへとつなげている。

また、県内各地で地域の芸能として伝承されている「国頭捌庫理(くんじゃんさばくい)」の由来を伝える新作も創作し、複数の小学校を合同で鑑賞機会を設けた。

創作芸団レキオスは、今年度で 3 年目の採択である。自走化に向けて、10 校以上の小中学校や市町村教育委員会を回り、開発したプログラムの説明や学校からの要望の聞き取りを行った。活動拠点のある北部地域に根差しつつ、今後も公演活動と結びつけながら取り組みを続けていく。

今年度開発した紙芝居を活用した鑑賞プログラム

担当プログラムオフィサーのコメント

前身の補助事業を含め 4 年目の担当となる創作芸団レキオス。創作エイサーのチームとして高い技術を持ち、県内で他団体を牽引する存在です。結成から 22 年目を迎えますが、その勢いを持続させるべく、この数年間で事務局チームを中心に 20 代・30 代の若手へと世代交代をはかっています。

平成 31 年には法人化し、文化庁が行っている「日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業」にも応募して採択されました。今年も、南米・北海道、東京と世界を股にかけて、獅子のごとく飛び回りながら!地元での子どもたちへのワークショップや普及活動も続けているニーセーターは、今後も奮闘を続けます。