OKINAWA ARTS COUNCIL

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2020.10.07 Wed

支援事業紹介:「平和と鎮魂」をテーマとするネットワーク型国際芸術祭へ向けたアーティスト交流事業(一般社団法人 すでぃる)

アーティストたちが「平和」を考え、協働する芸術祭

すでぃるは「平和と鎮魂」をテーマとする美術展「マブニ・ピースプロジェクト(以下、MPP)」を、激戦地であった糸満市摩文仁を中心に、平成27年から 5 回開催してきた。参加するのは、世代を超えて集まった沖縄にゆかりのあるアーティストたち。毎回、アーティストたちは普遍的なテーマである「平和」について向き合いながら作品を制作、展示している。

本年度は、本島南部の美術部に所属する中高生たち 179 名が平和をテーマに制作した作品展を同時開催し、幅広い世代が参加した芸術祭となった。

この芸術祭は、キュレーターを立てず、アーティストが自発的に継続してプロジェクトに参加し、発展していることが特徴だ。回を重ねていく中で、当初から構想していた同様のテーマの国際展開催に向け、本格的に動き始める。本事業は、海を超え、言葉を越えても同じ志で協働していくために、アーティスト間のつながりと信頼という柱を一緒に立てていくためのものだ。

済州、台湾などとのネットワーク構築

今年度は、これまで開催してきた摩文仁地域だけでなく、新基地を建設中の名護市の大浦湾を臨む会場にも巡回。県内北部(やんばる)のアーティスト含め、31 組が作品を発表した。普段美術館や作品展などに足を運ぶ機会の少ない現地の子どもたちに作品を観てもらう鑑賞会も実施し、関係性を育んだ。

ほかにも、キュレーターのギム・ジュンギ氏により韓国より招聘されたチェ・ピュンゴン氏の立体作品はやんばるの竹を用いて、沖縄県内で制作された。

また、昨年度に引き続き韓国済州島でも、沖縄、済州、台湾の三か所から集まったアーティストたちの交流展を開催し新たなネットワークを構築した。総括シンポジウムでは、事業報告のほかに台湾からキュレーターのウー・ダークン氏らを招聘し今後の活動について話し合うなど、来年度に県内で開催する国際展に向けて足がかりを作っていった。

済州島での展覧会オープニング

担当プログラムオフィサーのコメント

自分たちの活動について今後どのような方向性でいくのか。本年度、すでぃるの皆さんはその岐路に立たされていたように思います。国際展を開催することは容易ではなく、言葉や価値観の違いの壁は時に大きく感じられました。

また、長期活動だからこそ起こるメンバーチェンジや方向性の違いなどによる運営の混乱も垣間見えました。しかし、アーティストたちによる平和を希求する気持ちは強く、新たに発展した関係もありました。

一人ひとりのミクロな交流から平和の継続へ。難題を乗り越えようとするアーティストたちの力が、昨今の混沌とした世界でさまざまな人に響くことを願います。