(1) 文化芸術団体等の組織力向上・基盤強化に資する取り組み
琉球箏低十三絃(仮称)の開発により、3つの変革と創造を図る取り組み
歌三線が主の琉球音楽において、伴奏楽器である「箏」「笛」「胡弓」を軸にして、新たな表現の可能性を追及するため設立された本会。本事業では「箏」に主眼を置き、生田流筝曲の低音箏「十七絃」を参考にしながら、楽曲表現を豊かにする琉球音楽独自の「低音」の開発をめざす。
採択年度:令和7年度
新たな時代に即した 持続的音楽活動支援のための連続講座
サブスクリプションの普及や収益構造の変化、生成AIの進化など、音楽を生業とするアーティストや関係者には急速な業界構造の変化に対応できる力が求められている。本事業では、持続可能なキャリア形成の支援を目的に、制作やマーケティング、法務、海外展開等の講座を開講し、現代の音楽活動に不可欠な知識とスキルを体系的に学ぶ機会を創出する。
採択年度:令和7年度
視覚障害と音楽教育の課題解決に向けたプロジェクト
視覚障害者に対する音楽の指導法や点字楽譜の読み方を学ぶ機会が乏しく、指導を受け入れられる沖縄県内の人材が不足している状況の改善をめざす。アンケートによる実態調査を踏まえて諸課題の把握・整理を行い、盲学校や専門家との連携を図りながら、音楽指導者育成のための実践的な研修プログラムの開発に取り組む。
採択年度:令和7年度
沖縄芝居における大道具製作の技能伝承
沖縄芝居の大道具(舞台セット)製作技術の継承を目指し、第一人者である新城喜一氏・榮徳氏との実践を重ねてきた。今年度は、実際の公演を想定した大道具の運搬や組み立ての工夫、円滑な舞台転換の研究・検証を行う。これにより培った技術を活かし、舞台機構が芝居向きでない会場でも公演することで、沖縄芝居が多様な場所で実施できることをめざす。
採択年度:令和5、6、7年度
(2) 文化芸術を次代に引き継ぐ新たな創造発信を伴う取り組み
沖縄ファミリーヒストリープロジェクト
沖縄から移民した世界のウチナーンチュの歴史や文化、生活史的背景を学ぶ機会を創出することで、沖縄における文化の重要性を県内で啓発し、国際理解・異文化理解につなげることをめざす。昨年度に作成したワークショップのモニター実施や内容のブラッシュアップを行うとともに、多言語対応を視野に入れた教材設計を進める。
採択年度:令和6、7年度
琉球漆器螺鈿伝統技術を若者に広げるための「Gateway作品」試作事業
琉球漆器の伝統技術を継承し、現代の生活様式や価値観、ニーズに対応する新たな琉球漆器のあり方を提案する本事業。他業種との連携や新技術を開発し、「Gateway(入口)作品」を製作する。昨年度の活動を発展させ、サテライト事業やワークショップ、フィールドワークの実施をとおして更なる周知・普及を図り、ネットワークの拡大をめざす。
採択年度:令和6、7年度
音楽×演劇ワークショッププログラム開発とファシリテーター体験
“聞く・演奏する”中心の音楽活動では届かない層へのアプローチを深めるため、身体表現や対話を活かした演劇的手法を取り入れた、教育や福祉現場において実践性の高い新たなワークショッププログラムの開発に取り組む。実績ある劇団との協働を通じて、両者のノウハウの共有や若手ファシリテーターの育成にもつなげる。
採択年度:令和7年度
(3) 文化芸術を通じて地域の諸課題解決や活性化の促進等に寄与する取り組み
“ひめゆり”を伝えるワークショップ開発・実践プロジェクト
沖縄戦やひめゆり学徒隊に関する歴史を国内外に広く伝える活動を続けるなかで浮かび上がってきた、離島地域における発信の重要性を踏まえ、本事業では石垣島にて展示会を開催する。さらに、展示を活用した八重山地域ならではのワークショップの開発や、手記や証言に基づく朗読ワークショップを実施することで、参加者が主体的に学び合える場の創出に取り組む。
採択年度:令和4、5、7年度
希少生物保護の天敵「無関心」をやっつける絵本シリーズ創設のための造形制作および調査
やんばるに生息する希少動物を身近に感じ、「守りたい」という思いを育むための絵本シリーズの立ち上げを目的に設立された本会。本事業では、希少動物への理解を深めるためのリサーチや、自然素材を活かしたキャラクターの造形制作を行うとともに、自然保護への深い共感を育てるファン層の形成をめざしたシンポジウムを開催する。
採択年度:令和7年度
琉球・沖縄の歴史文化を学ぶ映像コンテンツの社会実装と普及モデル構築事業
琉球・沖縄の歴史文化をテーマとした「誰もが学べる・伝えられる」映像コンテンツを制作し、新たな学習モデルを構築する。「カリキュラム整備」「学校・地域・企業での実証実験」「歴史文化の発信を広げるシンポジウムの開催」「次作に向けた構想・検討」の4点に取り組み、地域と連携しながら、文化の創造的継承と活用の可能性を探る。
採択年度:令和7年度
沖縄・アジア平和音楽祭2026 ~文化交流を通じた国際共生を目指して~
観光・教育分野や国際交流機関と連携し、沖縄の伝統音楽やポピュラー音楽を発信する「2.24音楽祭(沖縄・アジア平和音楽祭)」を開催する。基地問題をはじめとする地域の社会課題について学び合うリサーチツアーや、県内の若者と海外アーティスト等との交流会も企画し、音楽を通じて多様な人々が沖縄の「平和と自治」について対話する場を創出する。
採択年度:令和6、7年度
障害の有無に関わらず誰もが文化芸術を鑑賞できる社会環境整備事業
文化芸術公演における「合理的配慮」の提供義務化や、バリアフリーへの期待の高まりを受けて、沖縄県内の主要ホールにおける実態調査・実地調査を行うとともに、さまざまな障害に対応できるスタッフの育成を目的とした研修会や実地研修(OJT)を実施する。障害の有無や年齢にかかわらず、誰もが劇場で安心して鑑賞できる環境の整備をめざす。
採択年度:令和7年度
【名護市中山区】総合学習のプログラムデザインを活用した伝統芸能と文化の継承
生徒数の減少という課題に直面する名護市中山分校の総合学習の時間を軸に、地域で受け継がれてきた伝統芸能や営みについての理解を含め、発信につなげるための授業プログラムの設計に取り組む。地域と学校、非営利セクターと民間が連携・協働することで、地域文化の持続可能性を支えるモデルケースの確立をめざす。
採択年度:令和7年度
(1) 文化芸術団体等の組織力向上・基盤強化に資する取り組み
琉球横笛演奏の技術継承および、魅力の創出と周知事業
琉球の伝統楽器である「琉球横笛」の演奏技術の継承をめざす本事業。演奏機会が少ない「端節(ふぁーぶし)」に焦点をあて、琉球横笛に特化した録音物を収録するほか、演奏のための初歩教材・動画教材の作成やワークショップの実施をとおして、演奏者拡大に向けた基盤形成を図る。
採択年度:令和7年度
(2) 文化芸術を次代に引き継ぐ新たな創造発信を伴う取り組み
「沖縄の心を学ぶ」東京スクール開講プロジェクト―先人から想いを紡ぐ身体表現の学び―
沖縄の民俗芸能「エイサー」は、教育現場への導入や演舞機会の増加により、県内外で広く親しまれている。一方、その成り立ちや精神性、伝統と創作の違いなど、文化的背景や意義を学ぶ機会は十分にない現状だ。県外における沖縄文化への理解と関心を深めることをめざし、エイサーの背景と意義を共有し、学びにつなげるスクールを東京で開講する。
採択年度:令和7年度
消えゆく沖縄のセメント瓦をコンテンツ化し、未来に繋げる
沖縄独自の風景を構成する重要な要素として「沖縄セメント瓦」を捉え、その文化的価値を広く発信し、新たな文化資源・観光資源としての可能性を探る本事業。セメント瓦の特異性や魅力を伝える映像作品の制作や、有識者を交えたシンポジウムの開催に加え、3Dモデルによるデジタルアーカイブを制作し、メタバース空間での公開にも取り組む。
採択年度:令和7年度
(3) 文化芸術を通じて地域の諸課題解決や活性化の促進等に寄与する取り組み
障がいによる分断や子どもの体験格差を改善する新しい芸術表現【手歌】の発信事業
音楽家や手話通訳士らが協働し、手話をもとにした身体表現「手歌」を創造するワークショップを継続的に実施する。また、聴覚障害者協会や作曲家、公共ホールと連携し、「すべての人が参加できる音楽・芸術表現」について考えるシンポジウム等を行い、聴覚障害をはじめとする多様な背景に起因する子どもの音楽体験の格差解消に取り組む。
採択年度:令和7年度
ステップアップ!With ArtうらそえⅡ
アートを通じて「場」「モノ」「人」を横断的に結び、市民によるアートの街・浦添の創造をめざす本事業。3年目は、開館35周年を迎える浦添市美術館を活動の場に絞って取り組みを展開する。市内の物故写真家と画家の展覧会を開催するほか、アートマルシェの実施をとおして、地域の関係団体や事業者との連携を深める。
採択年度:令和5、6、7年度
個人的な体験から沖縄を表現する新たな言葉を獲得するための市民活動
「沖縄」について積極的に語る若者が少ないという課題に向き合うため、アーティストと連携して小冊子(ZINE)を制作するワークショップを実施する。多様な言葉による新たな表現を模索するとともに、トークイベント等を通じて活動を広く周知し、社会課題に関する議論の活性化を図る。
採択年度:令和6、7年度
(2) 文化芸術を次代に引き継ぐ新たな創造発信を伴う取り組み
宮古島の織物の機織り体験プログラム造成
連綿と受け継がれてきた技術と工程の奥深さを持つ「宮古上布」をはじめとした宮古島の織物の普及と継続を目的に、島民と観光客を対象にした機織り体験プログラムを開発する。技術や素材、織り手の想いに触れることで、伝統の継承や認知度向上を図るとともに、織り手の新たな収入源となる可能性も模索し、伝統文化を支える仕組みの構築をめざす。
採択年度:令和7年度
(3) 文化芸術を通じて地域の諸課題解決や活性化の促進等に寄与する取り組み
映画でひらく、語り場 in 東村
映画館のない東村において、映画上映会とTeach-in(トークセッション)を定期的に開催することで、地域住民が多様な価値観や社会的テーマに触れ、対話を深める機会を創出する。映画を通じて、世代や立場を超えて「考える・語り合う・つながる」場を地域に生み出すことで、文化的な土壌づくりや次世代育成につなげる。
採択年度:令和7年度
地域の子ども達と描く~ミーカガン玉城保太郎が現代に蘇る~
糸満市の発明王といわれ、ミーカガンの発明者として知られる玉城保太郎の存在を若年層に向けて広く周知するため、地元の子どもたちと協働して紙芝居を制作する。完成した紙芝居は糸満市内の保育園や小学校に配布するほか、パネル化して市内施設で披露することで、地域住民のアイデンティティや郷土愛の醸成につなげる。
採択年度:令和7年度